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2004年11月13日〜17日
北海道忠類川 サーモンフィッシング



5日目(11月17日)




ただ今、早朝3時10分。
昨日と同じく4時にモーニングコールをセットしたのに、やっぱし3時(<もぉえぇっちゅうに)

さぁて、今日は「忠類川サーモンフィッシング」の最終日である。何日にも渡って頭を悩まされ続けた例のホテルともおさらばである。 今日の夜からは、フカフカのお布団でおねんね出来るのだ。うれぴ〜っ!
午後1時20分発の羽田行きに乗るので、釣りは遅くとも昼前には終了し、荷物を纏めなければならない。そうそうレンタカーも返さなければならんし。
そう考えると今日はあまりのんびり優雅にって訳にもいかんのだけれど、昨日・一昨日とは違って今日は終始穏やかで釣り日よりな天候になるらしい。

午前5時50分。
本日も他に釣り人は居なく広い駐車場は当方の車だけ。
新しい採捕従事者カードにスタンプを押して貰い川原へ急ぐ。
最終日くらいシャケの爆釣ってやつを体験して見たい。限られた時間で釣果を得るには一秒たりとも無駄にはしたくない。そんな一心で自ずと急ぎ足になる。
まず本日は忠類川に来てから、一度も覗いていなかった上流を攻めようと決める。
勝手の分からないエリアは避けたい思いも強いが、もしや穴場があったら...等とイヤラしい気持ちが先行してしまって...
管理棟からの順路を進み河原へ出ると、左手下流のお気に入りポイントをやり過ごし上流へと向かう。
忠類川未開の地・第一管理棟区域の上流は、下流のように太い流れが1本走るロケーションとは違い、チャラ瀬が多く幾筋もの細い流れが無数の中州を作っていた。
辺りを見渡し、川筋の比較的大きな流れに目を付けると、セットしたブルー・ドースを瀬脇の深みへと投入。何投目かにティップへコツコツした魚信を感じ、 すかさずアワセるが空振り。気合いを入れてキャストを繰り返す。
ゴン!と一発の手応えを感じる。キタッ!
午前6時半、フッキング。なんともまだ30分しか経ってないのに、幸先の良いスタートに顔がほころぶ。
竿先を立ててこらえるとロッドがもっちりと重い。下流と違ってポイントが狭いので、引き上げるにはそう時間は掛からなかった。 何度か暴れられたのもの難なく取り込み成功。
73cmのオス。よっしゃぁ!
はは〜ん、瀬脇ではこうやって釣ればいーのか。なんとなくコツが分かってきたゾ。

ポイントを移動する際、瀬を徒渉している最中に、当方の陰を察して2つ3つ逃げ隠れする大きな魚影を確認。をを、居るわ居るわ。下流よりもすこぶる居るぢゃぁ!
こんなだったら初めから上流で釣ってりゃ良かったと思うも後の祭り。タイムリミットまでは後数時間しか無い。
少々遠巻きに次のポイントへキャスト。10分程投げ続けただろうか。フォルス時に重みを感じて条件反射的にアワセると、根掛かりか否かを判断する暇なくドデかい魚体が空中へダイブ。 と、いきなりフライをくわえたままこっちに突進してくる。わ、わ、なんだコイツ?あっち行け!足元で暴れるなっつーの!
お陰で、巻き取って無かったラインと当方の両足とシャケが入り乱れて、見るも無惨なライントラブルに。 とっさにグレーのシューティングラインを両手で掴み、なんとかランディングは成功したものの、キテレツ漫画さながらのデタラメな状況である。
81cmのオスだった...
忘れないよう報告カードに殴り書きのメモを残し、複雑怪奇に絡み合ったラインをほどく。あーもー時間が無いのにぃ。
直上の小さな淵では、スレであったが59cmのオスを上げる。他にバラシが2回。入渓してから1時間半の間に、こんなに実りの多い充実した時間を過ごせたのはラッキーだ。 しかも最終日に。忠類川がお情けでくれたプレゼントなのであろうか。
ごろた石をすり抜け浅瀬を登り、河口から何キロも遡上して来るのだからヒレは見るも無惨にボロボロなのだが、 でもこの辺りで釣れるヤツらは、ゾンビと言うにはまだまだほど遠い見事な体表のチャムばかりである。
11月も半ばを過ぎたというのに綺麗な魚はまだまだ沢山居るようだ。

これだけ釣れる理由は何となく分かっていた。勝因はフライにあるのだと思う。
と言うのも、昨日までは残り少ないフライに神経を使い、多少針先が丸まっても無理して使い続けていた。 だが今日は最終日。余っているフライを湯水の如く取り替え、贅沢な使い方をしているのである。つまりは、いつも針先が鋭くへたりの無いフライだと、 昨日までのようにあまいフッキングにはならず、釣果に結びつきやすいと思うのだ。
もう十二分に楽しませて貰ったので、少々予定よりも早いのだが納竿とする。
フライボックスを眺めると、黄色・オレンジのクリオネが1本と青・紫のブルー・ドースが1本、赤のゾンカーが3本残っているだけだった。
管理棟へ戻る途中、チャラ瀬が浅い淀みに変わる小さなクリークを覗き込むと、そこには産卵の準備をしているらしい十数匹のシャケが、 時折水しぶきを上げて戯れている光景を目にする。またとないチャンスにカメラを構えて暫くサーモンウォッチングとしゃれ込む。
ちなみに、忠類川では本流脇から流れ込む支流群一帯は、全て釣り禁止区域であるので念のため。

本日17日の入渓者数2名、トータル釣果数15尾。

何かとお世話になった管理棟の稲村さんへ挨拶を済ませた後、標津の宿泊先へ戻るとノートPC以外の荷物全てを宅急便で自宅宛てに送る。 これで帰路も身軽だ。
来たときに空港で受け取ったレンタカーは、営業所に戻すように言付けされていたため中標津に向かう。 何日ものあいだ標津町に缶詰状態だったので、中標津の町がやけに新鮮な街に移る。
空港の持ち物検査では、機内に持ち込めるライターの数は1個までだからとカバン内の3個が没収された。指摘されて初めてこんなに入っていたのかと気付いたのだが、 来るときも同じ数が入っていたハズなのに羽田では何にも言われなかった。こんなに温度差が有っていいのか?
他にも金属反応が有ると靴を脱がされジャンパーを脱がされ...
安全対策は徹底的にやってもらって大いに結構なのだけれど、この温厚な顔が不審者に見えるか?
結局カバンの中身をほとんどぶちまけて中身をチェックされる始末。はずかしめを受けた。

また来るぜ。忠類川。

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