[ホーム/渓流遡行ガイド]



【双六谷】 岐阜県・上宝村

対象魚 イワナ
釣果程度 評価無し
混雑程度
サイズ 評価無し
放流実績 未確認
総合評価 評価無し
解禁期間 3月1日〜9月30日
入漁料 日釣券・¥1,000-/年券・¥5,000-
備考 ここ双六川(金木戸川)は、3000m級の山々が連なる北アルプス・三保連華岳付近に源を発する秘境。
一昨年、安房トンネルが開通した事で、峠を越えるルートを利用する必要が無くなった分、岐阜県との距離は近くなったが、黒部とならんで第一級の難所が続く峡谷で構成される。
参考 天候及びフィールド状況 → 午後8時入渓時点で晴れ、微風
                  気温16℃、水温???

警告
これより奥の渓谷では、釣り人の遭難・死亡事故が相次いでいます。天候の急変やダムの放水により急に増水するので十分注意し、危険な釣行はやめましょう。
高原川漁協  神岡鉱業(株)  北陸電力(株)  神岡営林署  神岡警察署」

.....ゑ?

危険なフィールドだとは以前から聞いてはいたものの、釣りの身支度を整える前から、ずいぶんとシブい挨拶をカマしてくれたもんだ。よし判った、十分注意して入渓しよう、 と心に誓って車止めまで移動すると今度は別な看板が...

禁漁区の設定のお知らせ
これより上流9Kmにある、北陸電力双六川ダムより上流の金木戸谷流域全体が禁漁区に設定されましたので、当該地域では魚類の採捕を行うことができません。 違反者については告訴します。
高原川漁業協同組合  神岡営林署」

.....ゑ?

この地は”ド”でかいイワナが数多く釣れる事で、地元はもちろん遠く県外からも急進的な渓流マンが熱心に通い詰める絶好の穴場フィールドであったが、 以上の理由で、私が以前から”聖地”と崇めて止まなかった「双六谷」は現在入渓する事が出来ない。
以前、6名のパーティーで入渓した私の知人によると、42cmのイワナを筆頭に大物ばかりを4時間の間に8尾釣り上げたとか。これは全て禁漁区に設定された 双六ダム以遠での釣果である。
この先この地で、同じ喜びを味わう事が出来る日はいつの事かと考えると、非常に残念極まりない思いであるが、その分貴重な我々の資源が温存される事を願って止まない。

さて今回は、オチにもならない顛末に、サイトへのアップを悩んだが、事実は事実としてお伝えする事にした。
以下は、入渓が許可されている下流部のレポート。

「高原川との出会い付近」

昨日夜半から降り出したと言う大雨の影響で流れは濁水状態を見て取れる。
白山神社前に架かる橋のふもとに設置されていた看板。
これが目に入り、1人で出向いて来た事に一抹の不安を覚えるが、まぁ無理しなければ問題無いだろうと自分に言い聞かせ先へ急ぐ。
ある情報筋によると、昨年1年間の双六谷での釣り人による死亡・行方不明者件数は7件にのぼる。
「金木戸発電所」

クルマで走行出来るのはここまで。途中山吹峠を経て神岡に抜けるルートから脇にそれる
ので、右に折れる測道を見逃さない様注意の事。
この発電所は、高原川との出会いから約7Kmの地点に位置する。
写真は、ここより徒歩で約2時間の地点に有る双六川ダムより上流の金木戸谷流域全体が禁漁区に設定された事を伝える看板。
一瞬ロッドを畳んで帰路に就こうかと考えた程にショックを覚えた。
「クルマ止めから徒歩30分地点の渓相」

一気にやる気を無くしながらも、片道にかかった燃料代と高速代、それに3時間も費やして辿り着いた事を考えるとタダでは引き返せないと、重い足取りで 先に進む事にした。

はて?何処まで行ってみんべか...

「クルマ止めから徒歩1時間地点の渓相」

下流に比べて川幅が狭まった分、流れはより一層速度を増し、とても入渓する気分にはなれなかったが、「でももしかして釣れちゃうかもしれない」との 淡い期待を胸に絶壁を滑り降りると、小渓流専門の私がとった行動は、荒れ狂う流れの中に#14のヘアズイアーを投入した事だった。(^^;
地響きを鳴らす川の轟きは、例えるなら落雷に似た感じ。思わずキンタマがちぢみあがる。 ...こわい
「上記と同じ辺りにて」

昨日の雨が影響していたとは言え、1つ1つの岩の大きさ、ポイントの水深、水量、どれを取っても想像を絶する状況に圧倒され、全くの惨敗であった。また、辺り一帯は ゴルジュに近い地形故に、上流のダムで放水を実施した場合、逃げ道が無いので”ドザエモン”と化す事は間違い無く、死亡者・行方不明者が頻発している事から も、その辺りの事情を察して頂きたい。

決して己を先鋭的な腕の立つ渓流マンなどと過信しないようお願いする。