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2004年11月13日〜17日
北海道忠類川 サーモンフィッシング



あとがき


国内で手つかずの自然にドップリと浸かって、サーモンフィッシングが出来た事に何より感動しました。
次回もっと魚影のにぎやかな時期に訪れる事が出来れば、今回とはまた違った忠類川を堪能出来るのかも知れません。
国内河川で初めてサーモンフィッシングを可能にしてくれた北海道スポーツフィッシング協会を初め、役場、漁協関係者の方々、 今日に至るまで代表河川の実現と維持にご努力下さった全ての関係者に感謝します。

このページでは、あとがきと題して自分が実際に忠類川で釣りを行って感じた事を纏めました。
お出掛けになる際の参考にでもなれば。

忠類川で釣りをする為の手続き他必要事項
忠類川のサーモンフィッシングは一般渓流の遊漁と違って、ちょっとやってみようか程度の場当たり的ノリで釣りが出来るシステムでは有りません。
事前に、第1次から第4次までの日程に合わせて応募し、承認証を発行してもらう事からスタートします。
関連書類には、「応募申し込み内容を審査後、適格者に釣獲調査を承認する「承認証」を発行いたします。」と有りますが、 一般従事希望者に承認証が発行されなかった事例は無いようですから、文面を読んで自分は適格者なのだろうかと不安を感じる必要は有りません。 ちゃんと手続きを行えば、承認証を送ってくれますからご安心を。
後日、自分の元に承認証をはじめとする必要書類がが届く訳ですが、応募用紙を事務局に郵送する際に、この承認証を郵送して貰う為の返信用90円切手を同封する必要があります。 お忘れなく。
標津町漁業共同組合から届く封書には、
●「自分のナンバーが記載され、標津町長印の押された”承認証”」
●「忠類川釣獲調査マニュアル」(各種必要事項が記されています)
●「忠類川釣獲調査採捕従事者規則(誓約書)」
●「ANAスカイホリデー・サーモンフィッシングツアーのパンフレット」
が同封されている事を確認しましょう。不足が有った場合は事務局までその旨を連絡する必要があります。
承認証は、調査(釣り)許可を貰う際に必要のみならず、現地のコンビニや釣具店等の指定窓口で「採捕従事者カード・施設利用券」 (こちらで表現するところの遊漁ライセンス)を交付してもらう(購入)際にも必要です。
承認証が無ければ、「採捕従事者カード・施設利用券」は交付して貰えません。くれぐれもご注意を。
納入金額は、それぞれ
●「シーズン利用券 ¥12,000−(高校生以下¥2,000ー)」
●「3日券 ¥8,000−」
●「1日券 ¥3,500−(高校生以下¥500−)」
●「ファミリー1日券 ¥4,000−」
(親2名子供2名・ただし子供の数が増える場合は1名につき¥500ーの追加料金が必要)
●「カップル1日券 ¥5,000−」(男女ペアー)
となっています。

調査(釣り)日の予約や忠類川へ入渓するスケジュール等の連絡は必要無く、ご自分が応募した”第1次から第4次までの日程”内で、都合の良い日に訪れるだけで宜しいです。

実際に釣りをする際には、何度も記載している通り「承認証」「誓約書(初日のみ)」「採捕従事者カード・施設利用券」を管理棟に提出し、 入渓リストに「承認証ナンバー」「氏名」「調査開始時刻」を記載した後に、「忠類川サーモンフィッシング調査 釣獲報告カード」を受け取って、 いざ河原へ向かってゴーという手順を踏みます。
フライ
レポート中に何度か書いた通り、心を込めて時間をかけて巻いた大切なフライがいとも簡単に無くなります。 あまりの消費量故、場合によっては暫く実生活で落ち込むくらいに悩まされます。そんな「冷酷なあしらい」を受けるのは正直かんべんなのですが仕方がありません。
理由は、底に停滞している魚の反応を得る為に、底石ギリギリにフライをはわせる為で、当然根掛かりが多くなります。 うまく外れたとしても、これが何度か繰り返される内に針先は丸くなり、釣果に結びつかない事態に発展します。シャープナーも準備するとよいでしょう。
フライは沢山準備して多すぎることはありません。時間とマテリアルが許す限り、100や200くらいのフライは持参しましょう。

パターンについては、当方が主に使って釣果を得たものは本ページトップ写真の通りです。 左から順に「クリオネ#8」「ブルー・ドース#8」「オレンジマラブー#8」「レッドゾンカー#8」「(赤を強調した)オリジナル・ウーリーバーガー#8」 の他に、同じパターンの色違いとフックサイズが#6の物を合わせて70本ほど準備しました。この数でギリギリでした。

一般的には赤系に反応が良いと言われていますが、青紫系も負けず劣らず良い反応です。 周りの釣り人が赤系ばかりを使っているようならば、青系を選んだ方がヒット率は上がるかも知れません。
タックル
川幅自体が狭いので、キャスティングに関してはシングルハンドで十分です。 ただし、1日じゅう振り続ける事を考えれば、ダブルハンドの方が楽かも知れませんね。

番手は最低#8は欲しいところ。
実際に80cm以上の魚が掛かった時は#9でも頼りなく感じた経験からすると、#5〜#6番では折られる可能性が有ります。少々余裕を持った方がいいでしょう。

ラインは、DT・WFどちらでも可。
忠類川はどこも細くて急な流れですから、着水後直ぐに川底へ到達するぐらいの高速なシンキングラインが欲しいところです。 どうも水面や中層辺りでは釣れないのが忠類川のセオリーなので、当方はWF#10Fの先端にScientific AnglersのDeep Water Expressというシューティングテーパーを取り付けて、 短時間で沈める戦法をとりました。
このDeep Water Expressには、沈むスピードの異なる3種類の商品が用意されており、説明書きには
550 grain Sink rate 7.5 inches/second
700 grain Sink rate 8.5 inches/second
850 grain Sink rate 9.5 inches/second
と記載されています。
1インチは2.54cmなので、ワタシが使った700グレインは1秒間に約22cmの沈むスピードがあると言えます。
川幅が狭いので、30ftのDeep Water Expressを半分に切って取り付け、片方は予備ラインです。 ちなみに、水深が浅いので850グレインまでの必要は無いでしょう。
そして最後に、50〜70cmにカットした16lbのルアー用ラインをシューティングテーパーの先端に結びつけ、これをリーダーの代わりにします。 テーパー付きのリーダーは必要有りません。たまにマイナス表記の極太リーダーが店頭に並んでいますが、 高いお金を払ってあれらを購入しても、結局短くカットしなければならないので何かにつけて無駄が発生します。

リールはお好みでどうぞ。
でも、大物が掛かった時に、グリップと手のひらでラインを挟む手法では時間的な限界が有りますし、いきなりテンションがかかった際に勢いよくラインが飛び出しかねません。
この辺りは、出来るならブレーキングシステムのしっかりしたリールでカバーしたいものです。
ポイント
忠類川の釣獲調査区域は大きく分けて、「R335に架かる橋を起点として上流5Kmまでの第1管理棟区域」と 「第1管理棟区域上限から以遠23Km上流に架かる金山橋までの第2管理棟区域」の2区域から成ります。
ワタシが訪れた11月半ばは下流中心の釣りがメインです。と言うよりも、10月下旬を過ぎると第2管理棟区域を訪れる釣り人は皆無と言ってもよい程少なくなります。 晩期は遠く上流まで遡上する魚が極端に少なくなる為です。それ故、10月まで機能していた第2管理棟は11月に閉鎖され、両区間共に第1管理棟が全区間を管轄するようになります。
11月15日の午前中、管理棟へその旨を申し出て第2管理棟区域の上忠類橋周辺の様子を伺いに少しの間移動して見ましたが、この日上忠類橋周辺に魚影は有りませんでした。 1匹の亡骸が河原に横たわっている光景を確認したので遡上している個体が皆無とは言えないものの、東京湾の中から百円玉を探し出すようなものです。 この時期は、素直に下流で粘るのが得策でしょう。

第1管理棟区域で釣果が有ったポイントは3カ所。
1つはR335に架かる橋の下に広がるプール。忠類川サイトのトップに掲載されているお馴染みの写真に写っているプールと言えば分かり易いかも知れませんね。 ここだけを狙いに訪れる釣り人も多いらしく人気ポイントの1つです。この橋の数百メートル下流には海が広がっています。
更に、管理棟から順路通りに進み川原に出て目の前に広がる大きなプール。ここはワタシが毎日粘りに粘って釣果を上げたお気に入りのエリアです。 左の流れ込みよりも右の瀬開きの方が反応が良いようです。
最終日に3匹を釣り上げたのは、このプールより200〜300m上流の瀬脇です。 何処を見渡してもこの辺りの水深は浅く、魚が居着く場所は至って限られるので、シーズン最盛期は場所取りに難儀しそうなエリアです。
その他
管理棟や河原の至る所にヒグマに注意を促すattentionが張られています。忠類川の川沿いをテリトリーにしているヒグマは推定6頭との事。 当方は出会うことも目撃する事も有りませんでしたが、ポイントを移動する際は、決して林道を利用してはならない旨の注意を管理棟から受けます。 つまりは、見晴らしの利く川原を移動し、不意な遭遇を避けなさいとの意味です。必ず実践して下さい。
また、この地を訪れる釣り人は皆クマよけの鈴を携帯しています。当方も南アルプスを俳諧する際に携帯しているクマよけの鈴とカウンターアソールトを持参しました。
これらは必須アイテムです。お忘れ無く。


4日間忠類川に通い詰め、トータル釣果数5匹は決して納得の出来る結果とは言えませんが、ワタシが訪れた11月半ばは訪れる釣り人は少なく、 自分ともう1人の2人だけしか入渓しない日もありました。平日は毎日そんな程度の入渓者で落ち着いているようです。 あれだけ広大な忠類川とその周りの景色をほぼ独占に近い状態で自分のものに出来ると考えれば、最終月の11月は最高のシーズンとも言えましょう。 防寒対策をしっかりして、プライベートリバーさながらのロケーションで貴殿も素晴らしい釣りを堪能して下さい。
検討を祈ります。

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