[ホーム/渓流遡行ガイド] |
|
どの地図を読んでも、行程が短く表記されているので誤解される事が多いが、実際は隣を流れる”牛首川”と大差ないほどの行程を持つ。 今回入渓した場所は、標高1450mから1700mまでの約3Km区間。真夏でも水は刺す程に冷たく、大雨でも決して水の流れが濁る事の無い理由に、周りを囲む豊かな自然があげられる。 貧栄養価の水質はコケの自生を促進し、終年川を覆うマンネンゴケ・ハイゴケ・サナダゴケ・ミズゴケ等が、神秘的且つ幻想的な風合いを醸し出す。上流部は全てに於いて飲料可。 そんなヤセたこの川には、必死にそしてけなげに生きるイワナがそこそこ生息しており、釣れる魚は全て体色の綺麗なネイティブだ。 南佐久漁協曰く「高石川は上流にも放流してますよ」との回答であったが、今回紹介する最源流部については漁協のコメントは当てはまらないと思われる。 車で途中まで運んだにせよ、それ以遠を人力で移動させるにはかなり無理が有るし、途中には数基の堰堤がそびえるので魚の遡上は不可能。 よって、このエリアで釣れるイワナは天然物だと思ってまず間違いない。これが私の見解である。 トップ写真のイワナは、遡行開始から約5時間半の地点で釣り上げたもので、今までの経験からすると、高石川では一番標高の高い場所での釣果となった。 帰宅後詳細な地図で確認したところ、このヒットポイントは、恐らく標高1600mを越えた辺りだと思われる。 |
「高石川の中流へ続く林道にて」 時は4月15日。 毎年ここへは避暑目的で真夏に訪れる事が通例であるが、ふとした思いから春先の高石川上流が気になり訪れてみた。 林道に残る雪はまだまだ厚く、シーズンはどうやら下流よりも1ヶ月ほど遅い模様。 |
|||
「エントリー地点の渓相」 ビッシリと覆われたコケは踏み固められた跡も無く、さほど入渓者は多くない様だ。
|
|||
「遡行開始から約3時間地点の渓相」 上述の通り、入渓してからすぐに1尾がヒットしたので気を良くしていたが、その後パッタリとアタリが途絶える。 今回はうっかり8フィートの長いロッドを持参してしまった。良いポイントを見つけても、木々が覆い被さる状況に苦戦を強いられ、いくつフライをなくした事か... 出来るなら5〜6フィートの超短ロッドが欲しいところ。 |
|||
「遡行開始から約5時間地点の渓相」 入渓地点と比較すると、川幅はだいたい1/3程に狭まり、なにより身を隠す障害物が無いので、距離をおいて遠投したい気分だが、なにせバックキャストを確保するスペースが 無く、こちらが近づく前から魚に悟られていたのかも知れない。それくらいシビアな釣りが要求される区間だ。 ちなみに、トップ写真のイワナはこの撮影地点での釣果だが、釣り方たるや、うつぶせで枝の下に潜り、いわゆる”ちょうちん釣り”でヒットさせた。 ワタクシの執念を感じるでしょ? | |||
「遡行開始から約6時間地点の渓相」 ひとくちに”6時間”と言っても、当然の如くただ歩いていた訳ではなく、釣りしながら頻繁にフライの回収を行い(^^;、データシートに記録をとる為の小休止等で、実際に歩いた 距離は、多く見積もっても3Kmといったところ。この日は時間的余裕がまだ有ったので、先に進もうと思えば可能であった。しかしながら雨足も強くなり、より一層川に 覆い被さるブッシュ帯を攻めきれず、この時点で引き返す事にした。 以上、下流部の高石川と渓相が全く違う事に驚かれた方々も多いハズ。そんな人知れず流れを生み出す源流部の雰囲気だけでも感じ取って頂ければ幸いである。 |