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【尾白川・上流部】 7月 山梨県・北部

対象魚 みた感じ"イワナ”
釣果程度 不明
混雑程度 ☆☆☆☆☆
サイズ みた感じ”中”
放流実績 不明
総合評価
解禁期間 3月1日〜9月末日
入漁料 日釣券(前売り)・¥800-/日釣券(現場売り)・¥1,200-/年券・¥4,000-
備考 不動滝の上流レポート
参考 天候及びフィールド状況 → 午前7時入渓時点で晴れ・無風
                  気温25℃、水温12℃
                  ハッチ無し

使用タックル →        ロッド・#3 SAGE SP389
                  ライン・#3(SAGE専用ライン)
                  リーダー・クライマックス5X
                  ティペット・アムコア5X
                  使用フライ・#11のオリーブアダムスパラ

周辺地形図 数値地図から描画したCG 紹介区間トータルデータ

行った日が悪かったって事にしておこう。

”沢屋のパーティー”に追い越される事10数回、その度に「アタリ有るかい?」とか「釣れましたかぁ?」等と、たっくさんの心温まる声をかけて頂いて...
#って、あんた達が水ん中ジャバジャバ歩くから釣れねーんだんべぇ。ったく、もう少し気を遣って近くを歩かな
#いとか、遠巻きに避けてくれるとかしてくれたって...ブツブツブツブツブツブツ...

時は7月20日。学生が夏休みに入った最初の3連休。
当初、この連休と翌週月曜日に有給を取って4日間のスケジュールで南アの源流地帯へ出掛けるつもりだったが、先週保川で発生した死亡転落事故を知ったおかんから”行ってはイケない”旨の告知を 受けてしまった。
保川で発生した滑落事故に少し触れておくと、7月14日(土)の早朝、第4堰堤を越えて沢に降り立とうとした釣り人が、左崖から誤って数十メートル下へ滑落してしまった模様。現場はこの堰堤から50メートル 程上流の左崖だったそうだ。ご冥福をお祈りしたく思う。
さて、上述した通り相変わらず早川のロング釣行気分から抜けきれない気持ちでは、他の渓に出向く気にはなれなかったが、家でボケーッとする間も惜しいので、仕方なく近場の尾白上流入りで1日目の連休を消化 しようと決めたのだった。
午前7時前、日向山登山道入り口の林道ゲート前に車を乗り付けると、雲7つ8つしか無い快晴の中、不動滝上流に向けて歩き出した。
尾白源流は、人気の渓流釣り場で有ると同時に、沢登りのメッカでも有る。
3連休初日の20日は安定した天候も手伝ってか、ワタシの後から後から後から後から後から後から後から後から、沢登りパーティーに声を掛けられ追い越され...

釣果はトップ写真の通り。

林道ゲードを望む

R20から尾白川渓谷に左折し、間もなく見えてくる中学校を直進。道なりに何処までも進めば約30分程で”日向山登山道”先に位置する写真のゲートに行き着く。
ここから先は徒歩。
不動滝大橋を望む

写真は、”尾白川・中流部”でレポートした不動滝下の吊り橋。
「あん時も、貧果だったなぁ...」と記憶を蘇らせながらパシャリと一枚。
ゲートからここまでは約30分の道のりだ。
クマの足跡発見

よよよよよ...!?
これってもしかして、今しがた付けられたばっかのアトなんぢゃん?
でもまぁ、林道を横切っているだけだから出会う事も無いだろう。
って事で先を急ぐ。
林道終盤

ご覧のトンネルが出現したら、もう終点も近いと思って宜しい。
地図で確認出来る通り、こんなトンネルが3つ有る。
長くとも数十メートルの距離しか無いので懐中電灯は要らない。
一気に下降
ゲートから林道終点までは約1時間。
あれ?道が無いぞ!等と考えずに左奥を覗いてみる事。そこには沢屋さんが付けたので有ろう真新しい残置トラロープと共に、奈落の底に落ち込む光景が目に入るハズだ。これから降りるルートは、 最大斜度90度、平均斜度45度の急斜面。焦らずゆっくりと降りる事。ロープが新しいからといって、全体重をかける等とはもってのほか。決してロープ強度を信用してはならない。
尾白川上流の渓相
斜面を滑り降りる事、約7〜8分で川原に降り立つ。
下流同様にどこまでも透き通る流れは美しいの一言に尽きる。
さぁて大物を釣る準備でもするかと荷物を解いていると、今来た斜面から6名の沢登りパーティーが降りてきた。一言二言声を掛け合った後、その人達は水の中をジャバジャバと歩き上流へ消えて行った。
「あ゛〜〜っ、い゛う゛え゛お゛〜〜っ、ちょっ、ちょっとヤメて」
甲斐駒ヶ岳方面を望む

丁寧に丁寧に、普段なら攻める事の無い岩の透き間なんかにもフライを落としちゃって、青筋を立てながらの遡行が続いた。
一匹も出ず...
その間も、後から後から入渓してきた沢屋さんのパーティーに次々と先を越され、釣りが出来る状況に無いと気づいたのはそれから間もなくの事だった...
惰性で登った滝(名前なんて知らないけど)

一枚岩を舐めるる様に滑り落ちる滝は、一見ウォータースライダーに見て取れる。「クソ、泳いぢまおうかな」
左に残置ハーケンが打たれていたので、それを利用して取りあえず登ってみた。
相変わらず、いっぴきの釣果も無し...
ほぉ〜っ、これが噴水滝かぁ!?(よく知らないけど)

「うぉい〜っす!」
後ろから声を掛けられ、振り返ればまたも団体の沢登りバーティーだった。
今日、既に10回以上、こんな出会いが続いていた。
「もうイヤぢゃ...」
沢屋銀座にふて寝を決め込む

をを、何故ザックにビールが?!
普段の様にデータシートに記録を取る作業もイヤになってしまって、よく判らないけれど3時間も先に進んだのだろうか?
綺麗な滝を目の前に、もはや観光気分だった。
もうビールかっ食らって寝よ。
3時10分、撤退...

ガーガーと口を開けて寝ていたワタシの顔を一体何人の人が覗いて行ったのだろうか。でもそんな事はどうでもいい。帰りの身支度を整えると”撤退ぢゃぁ”と腹の底から唸った。
結局ボーズだったもんなぁ...カッコつかねーよなぁ...レポートすんのヤメようか...
暫く下ると、増水の時に出来た溜まりだろうか、こちらの気配を察しても一向に逃げようとしないイワナ君の遊泳を発見。
「仕方ない、あいつの写真でも撮ってけーるか」