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2004年6月19日〜27日 : 北海道日高山系


6日目(6月24日)



午前4時起床。
晴れてはいるが、目黒方面はガスっていて山頂から雲海を見下ろすような神秘的な情景だった。
海岸線に立ちこめているあのガスが上ってくるなら、そう時間は掛からないだろうから、天候が崩れる前に釣れるだけ釣っておかねば...
準備を整え、パイロットフライにお決まりのアダムスパラシュートをセットすると、山道橋たもとの斜面を一気に駆け下りた。
ロケーションは以前と変わらずビュリホー。これが日本の景色とは信じられない...

昨日広尾近くのガソリンスタンドに寄った時、カヌーをマジマジ見ながら「フライですか?どの辺りで釣ってるんです? ボクはルアーなんですけどね、昨日は○○川に行って44cmのニジマスをあげましたよ。いや、湖はヤリません、渓流だけです。 ...ペチャクチャペチャクチャ...」等と釣り好きなお兄ちゃんが声をかけてくれた。 いくら平日とはいえ、北海道に上陸してから人っ子1人釣り人には会っていないし、 毎回気にしながら釣りを続けていたところだったので、これはチャンスだとばかり、禁漁期間中の河川への入渓に関して実際のところはどうなのか聞いてみたのだが、 「いや〜ぁ、最近は結構厳しくなったようですよ」と、どう解釈すればよいのか困る曖昧な回答をされた。
まぁ仕方ない。引き続き自分に都合のよい解釈をしよう。関係者に何か言われたら「沢山いる中からイワナだけ選んで釣る訳にはいかない」 とでも言ってみっぺぇ。
しょっ引かれたりして...^^;
そんなわだかまりを持ちつつフライを流しはじめたのだが、すぐさま#11のアダムスパラにピチピチと反応が。小ヤマメが突いているらしい。
案の定、アダムスに掛かる魚は全て15〜16cm程の小ヤマメばかり。もうとにかくヤマメはイヤだった。
気持ちの中に禁漁期間の問題があるのは事実なのだが、あのロケットみたいなイケイケの容姿が昔から好きではないのだ。
アワセのタイミングも早過ぎるし...よく渓流の宝石と形容されるが、ヤマトの方がよっぽど綺麗だゾ。
30分ほど釣り上がると、かなり広いタイトプールに出くわした。いかにも釣れそうな雰囲気に心が躍る。
もう小ヤマメは勘弁なので、思い切って大型のゴッダードキャディスに付け替える事にした。
1投目でいきなりヒット。
しょっぱなからこれだってこたー、このプールにゃーたっくさんいるに違げーねー...
寄せてみると、そいつは待望のイワナだった。「キャー、楽しいわよーーーーー!」。
#地元の釣り人が聞いていたら、間違いなく「アンタ、はんかくさいんでないかぃ」とツっ込まれているに違いない。
(一般的に、ここ北海道ではヤマメは手厚く保護される傾向が有り、渓流釣りの対象としても人気が高いのだが、一方イワナはというと、 雑魚扱いする釣り人は決して少なくない)
にらんだ通り、プールの中には沢山のヤマメとイワナが群れていた。しかし、このプールだけで何十匹釣ったのだろう。 とにかく泳いでるヤツは全部釣った。^^;
フライがヘタっても取り替えず、強めのフォルスで水気を飛ばし、そのうち浮きもしなくなったが、それでも釣れた。
あまりの釣れようにダレてしまって、変わった釣り方がしたくなった。下流のプールをダウンクロスで探ろうと思い、クシャクシャのラインのまま放り投げたが、 何回流しても到達する途中で釣れた。フライにパンパンのテンションが掛かっていても、暴れても大声を出しても、何をしても釣れた。アワセなくても釣れた。
面白くなくなってしまい釣りをヤメた。川を渡って戻ってくる最中、垂らしていたフライにイワナが食いついた。

もう雨でも雪でも降ってくれ...

帰路につくまでに残された日数はあと1日。せっかく400mm、600mmレンズを持ってきているのだから、彼らにも存分に活躍してもらおうではないか。 アッと言われるような写真を撮ろうではないか。
って事で残された時間は野生動物の撮影に使う事とした。 目標は大きく持って、ヒグマやワシミミズク、シマフクロウにクマゲラなんかの撮影に成功すると嬉しいにゃぁ。