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曲がり直し
とにかく、あっちゃこっちゃ至る所が波打ってるわ湾曲してるわで、矯正するにはかなりの技術と忍耐が必要と見た。
こういう書き方をすると、いかにもオレの腕が素晴らしいと言っているようで、はなはだ僭越なんですが…
まぁそういう事では無くて、今回はこれらを直線に仕上げるところまで完璧に直す技量は無いと思うので、ポイント的に目に留まった箇所だけ手を加える事にした。
1,釜ゴテ
うちのおかんが和裁を仕事にしている関係で、ちょいとばかり拝借。
本機の利点は、温度調節が細かく設定出来る事と、ヘッド面積が小さいので細かい部分に熱を加えるのが非常に楽な事。

#しばらく借りておこう...
2,トップセクションの曲がり矯正1
先に申し上げておくと、本来ブランクの焼き入れは接着前に行う行程であり、張り合わせ後の作業って言うのはあまり好ましくないので念のため。
ついては、アクションに影響が出る可能性が否めないので、極力酷い箇所に限って行う事を心がけたい。

200度に上げたコテを1分程曲がり箇所に押しつけ、表面に若干の焦げ色が付いた頃を見計らってバイスに挟む。(下項参照)
焼き入れ箇所は、6面全てに熱を加える事を忘れずに。
3,トップセクションの曲がり矯正2
バイスを利用して適当な力加減でブランクを挟む。

直接挟むとブランク表面に無数のキズがつくので、木片や薄手のレザー等を利用すると良い。
写真は”ヒノキ材”を使用。
4,バットセクションの曲がり矯正
ティップと違い上記のコテでは熱を伝えづらいので、太いブランクには家庭用のアイロンを使用した。
高温ドライの設定で曲がり箇所に2〜3分程アイロンを押しつけ、温度が伝わったらバイスに挟む作業を繰り返す。
5、矯正前のブランク
このロッドは特に節周りが湾曲しており、きちんとノードスタカリング(節ずらし)を行っていない為と思われる。
また、仕上げ削りが荒い為、波打った様な張り合わせできれいな直線が描けてない。
6、矯正後のブランク
この位まではコテとアイロンで矯正出来る。
逆を言えば、ある程度の直線が出ていないと、次項で説明する”スパイン(キャスティング時のロッドバランス)”が出しづらくなるので、単調で面倒では有るがとても大切な作業となる。
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