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2004年11月13日〜17日
北海道忠類川 サーモンフィッシング



2日目(11月14日)




昨日から泊まっているこのホテルについて、ちょっとだけ愚痴垂れてもいーかな。
部屋にトイレが無い。水場も無い。備え付けのテレビは映像は映っても音が出ない。表の風が強いと換気扇のフタがビリビリとうるさい。 ホテル内の自販機は新500円硬貨が使えない。押入の幅とフスマの幅があって無いので出入り口にまでフスマが飛び出してる。(<はぁぁぁ?) 表を走る車の騒音が酷い。ヒーターの強弱が無いので入れると暑い。切ると寒い。トイレに飾ってある一輪挿しの花は枯れて茶色く色づいている。 ゼロ発信でダイアルアップ出来ると書いてあるにもかかわらずプロバイダーに接続出来ん(ここはエアーエッジの電波届かず)。 30分近く部屋に引きこもり、あーだこーだとやった結果、何とか解決出来たのだけれど「パルス」かぃぃぃぃっ!
トホホ...
横浜ホテルニューグランドからいきなりこれだもんでギャップが...

昨晩、寝る前に絶対寝坊はしちゃいけん緊張の中で、備え付けの電話を使ってモーニングコールを午前4時に設定した。 けたたましいビープ音が3時10分に鳴り出すってどーゆー事よ?えっ?
ったく、まわりの全ての物事に対して、このホテルに一言いってやりたい。「いかんちゅーに」
逃げ出すように、午前5時15分いざ忠類川へ向けて出発。
星が輝いているので今日の天候は心配なさそうだ。
車を走らせると、程なく忠類川に到着。管理棟前の駐車場には既に1台の車が止まっていた。そして、ワタシの到着後直ぐに2台の車が入ってきた。 日曜日だからだろうか。今日の入渓者は多くなりそうな予感だ。
まず最初に、これから数日に渡って忠類川の調査員として活動する手続きを行う事になる。
先月自宅に郵送してもらった”承認証”と”誓約書”、 当地入りしてから入手した”採捕従事者カード”を管理棟に提出し、「忠類川サーモンフィッシング調査 釣獲報告カード」を受け取る。
遊漁ライセンスを購入すれば、あとは各々が好き勝手に釣り場を変えたりキープしたりリリースしたり出来る一般的な渓流釣りとは違って、 ここ忠類川では、捕獲した場合は「魚種名」「性別」「釣獲方法」「釣獲時間」「体長」「釣獲区域」を、
リリースした場合は「魚種名」「釣獲区域」「性別」「釣獲方法別(内スレは何尾か)」 といった具合に、事細かな報告が義務づけられ、管理棟区域を勝手に移動する事も厳しく規制されている。 忠類川サケ・マス有効利用調査として実現したサーモンフィッシングであって、一般遊漁とはコンセプト自体が違う事を念頭に置きたい。
ジャスト午前6時。この時を待ってましたとばかり川原へ急ぐ。 第一管理棟から川原へ降りるには決められたコースを数分歩くのだが、この数百メートル・数分の距離がどれだけ長く感じた事か。
河原へ出ると、雄大な北米の河川を思わせるロケーションがそこに有った。3面護岸や堰などの人工物は無く、 時折ヒグマが遡上するシャケを追いかける(<聞いた話)。そして、川岸には沢山のゾンビと、仕事を終えて天に召された無数のシャケの亡骸が横たわっている。 奇観ではあるものの、手つかずの答えられない自然がここにある。素晴らしいのである。
まずはポイントの絞り込みを行おうと上下流を眺めるが、探すまでもなくまさにシャケが居着きそうな大淵が目の前に広がっている。 これ幸いと目の前のポイントで様子を伺う事にする。
準備して来たタックルは、ロッドが「SAGE Xi2 の9フィート9番」。10フィート8番も持参はしているが1日振り続けるには長すぎるので、 コイツはメインロッドにトラブルが発生した場合の予備ロッド。
リールは、バウアーのM3・M4と軽量で且つ強烈なブレーキの利きがお気に入りのROSS。どれもビッグワンに対抗出来る信頼性の高い逸品。
ラインは、ウェイトフォワード#10のフローティングに、超高速シンキング(700グレイン)のシューティングヘッドを装着。 これに16lbのルアー用ラインを50cm程結んで(ここではテーパーリーダーは不要)、その先にアダムスパラシュートを...(結ばんちゅーて) #8〜#6を中心としたフライを結ぶ。
フライについては、オレンジ・赤・青系のマラブー・ゾンカーを中心に、忠類川で評判の高いクリオネパターンも混ぜて来た。
このシステムを使って、リトリーブ無しのダウンクロスで川底をなめるように探ろうってのが今回の作戦。
さてさて、期待に胸弾ませてのキャストを開始。
上述したように、とにかく沈ませるだけ沈ませて探る為、根掛かりが想像以上に酷い。アタリかと勘違いして頻繁にアワセる理由で直ぐに針先が丸まってしまうのも気になる。 シャープナーを持参するべきだった。
1時間が過ぎる頃、どうせまた根掛かりだろうと機械的にアワセると、モッチリとした感触を味わった直後に対岸へ向かってラインが移動した。 「よっしゃー、きたぜ、きたぜーーーっ!」
午前7時。待望のヒット。
走られると強烈な引きに思わず身体のバランスを崩してしまう。サーモンパワーをあなどっていたかも知れん。9フィート9番のロッドが根元から綺麗にしなる。 ブレーキの利きを固くしてリールから手を離すと、たまらず両手をバットセクションに移動。下流の水中へ向かって突き刺さるラインは、 ボーーーーォと聞いた経験の無い糸鳴りを発している。
走られる度、折れんばかりにロッドがしなるので、負担を軽くするためリールブレーキを少々緩める。と、あっという間にバッキングラインまで出て行く状況に恐怖感すら覚える始末。 たまに水面に現れる背びれから、想像するに足り過ぎるほどデカい魚体であることを悟る。80cm以上は有りそうな勢いだ。
もうかれこれ5分程こんなやり取りをしているだろうか。もうラチがあかん。ロッドで寄せるのを諦めブレーキを再度固く締めると、身体ごと後ずさりし、 少しでもヤツを岸に近づけたいと考えた。
それから数分後、右側の水流がきつい瀬の流心に潜られ、それまで以上にテンションの掛かったフックはあっけなく外れ、パーンと自分の方へフライが飛んできてジ・エンド。
思わず「あーーーーあ」と落胆の声が漏れる。凄い絵の写真が撮れると期待していただけに悔しい。

たばこに火を付け深呼吸をする。
すげーゾ、この川。何と言うか、これがサーモンフィッシングなんだなぁ...もうツマミ無しで酒何杯でも飲めるぜ。感動ーしまつた!
手中におさめる事は出来なかったが、今までの釣りとはひと味もふた味も違った感覚に暫く酔った。
それにしても、マジでロッド折れるかと思った。

その後、午前中に3回フッキングしたが、いずれもバラシて終わり。
悔しさのあまり昼飯も食わずにタイムリミットの午後3時までキャストをし続けた結果、午後は2回フッキングして、いずれもバラシて終わり。
釣り方が悪いんぢゃろか?とにかく全てフッキングがあまく、アタった7回全てがバラシだった...


本日14日の入渓者10名、トータル釣果数は43尾。
当方の本日釣果...無し。まさかボーズだったのはオレだけ?
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