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【双六谷】
岐阜県(2001年09月01日)
対象魚 詳細情報は酒匂川漁協のページを参照
釣果程度
混雑程度
サイズ
総合評価
備考 沢登り・渓流釣りのメッカであり、山岳事故が絶えない渓としても名の知れた河川である。
当サイトに双六谷の情報収集で訪れる閲覧者が多い様なので、少々前の釣行ではあるが参考情報の1つとしてページをアップする事とした。
現地へ訪れたのは2001年9月。当時運営していたメーリングリストのメンバー5名で、オフ会として企画した際の釣行記を元に、一部を加筆したものである。
ついては、特に述べ立てる必要は無いが、釣行当時と現況が違う事は予め承知の上で参考にして頂きたい。
「釣行メンバー」
前列(中央):おちこぼれダンさん
後列(左から):ADAMS・TroutWaterさん・しんのすけさん・KAMADAさん
「ゲートを越える」
持ち寄ったMTBをゲート上から手渡すと、行きはダラダラと上る林道をみんなで仲良く歩く。
「林道から渓を望む」
最終ゲートから30分程の地点では、こんな雄大な景色がお目にかかれる。思わずみんなの足が止まった。
「林道から渓を望む」
確かに上流のダムから放水されたら逃げ場が無いってのは、ここから見下ろせば一目瞭然。
度重なる事故は、こういった地形が影響している事がよくわかる。
エントリー箇所も限られ、絶壁でふさがれたこの辺りは、入渓する人もわずかなんだろう。自ずと”竿ぬけ”の期待が高まる。
「発電所を望む」
「ををー、ライズッ、イワナァー」と、突然大声を出したダンさんに驚いたのは丁度ここ。
よしっ、1匹居るって事は少なくとも5匹は居るだろー。もう勝ったも同然。
「中ノ俣出会いを望む」
発電所の「ウゥゥゥゥゥゥゥ〜〜ンッ」と唸るタービンの音をバックに橋から下を覗き込むと、ヘッピリ腰のルアーマンが入渓していた。
「どうですか?」と聞くと、首を横に振った。
それでいーのだ。(^^)

発電所を遠巻きに林道がUターンする所に、テン場第一候補のヘリポートがひっそりとたたずんでいた。中に入って見ると、結構なビバーク後が確認出来た。泊まりの釣り人がよく利用する のだろう。
「お疲れさまでした」のかけ声と同時にザックを下ろすと体が浮く様に軽い。
一息ついて、何より大事な水場を探すが、近くの岩清水は頼りなく、金木戸本筋まで降りるには斜面がきつい。なにより、酔っぱらって水汲みに行った日にゃー.....
みんなも同じ事を考えていたかは定かでは無いが、もっと水場に近いテン場を探そうとの意見で一致。
再びザックを担ぐと、更に中ノ俣上流に続く林道を歩き始めた。
「適当なテン場を見つける」
金木戸川の奥へと続く林道分岐を過ぎ、トンネルを2つ越した。左奥を流れていた中ノ俣が道筋の脇に近づいた頃、林道右片に水場が有るのを発見。
「テン場はここにしよう」
「テン場の風景」
お約束のビールで乾杯し、すかさずテント設営。

その後、準備を整えた我々5名は、取りあえず”中ノ俣”と”北ノ俣”分岐点に向かう事に。
数十分後、分岐に到着し、ワタシとダンさんは北ノ俣へ、TroutWaterさんとKAMADAさんとしんのすけさんは中ノ俣へと分かれた。
「北ノ俣を望む」
それから我々2人は10分程林道を詰めて取水施設に到着すると、そこにはエンジンの冷えきったバイクがとめてあった。
まぁ、だいぶ前に入った様だから釣りにはなるだろうとの思いで吊り橋を渡ろうとしていたら、対面からバイクの持ち主が帰って来たところだった。話をすると、上流でクマに出くわしたらしい。
爆竹を鳴らしながらその場を撤退したので、もうこんだけしか残ってないとか言いながら、そのおじさんは我々に少しばかりの爆竹の残りを見せた。
おまけに、だいぶ上流には4人組のテント班が陣取っている模様。
今日は上流を諦め、北ノ俣の出会いから釣り上がろうと2人で話をしていたら、このオヤジは”オレが入るんだ”と言うではないか。
”ふざけんな、オレ達が入るんだ”と言ったところで、バイクで抜かされるのがオチなので、仕方なく本日は北ノ俣を諦め、テン場脇の中ノ俣に入渓する事にした。
「中ノ俣の流れ」
オヤジさんが入渓しららしい箇所にとまっているバイクをやり過ごし、更に更に下流へと歩く。適当に入渓出来そうな斜面を見つけて下に 降りると、念願だった双六谷の流れに立ち込んだ。
何処までも澄んでいる流れは、深く太く、そして重たい。
「双六のイワナ」
その後、ダンさんとワタシは数尾の釣果を得て、さっきのおやっさんが入渓した地点から小沢伝いに這い上がった。
お世辞にも爆釣とは表現出来る結果では無かったにしても、ポイントからは結構反応が有り、先行者が多い中の”おこぼれ区間”にしては随分楽しめた様に思う。
「宴会」
テン場に戻った我々2人は、ビールを数本かっ食らった後、ワタシは夕食の準備に。ダンさんはテン場脇で繰り返されるライズを取りに河原へ。
辺りが暗くなりかけた午後7時、中ノ俣に出掛けていた3名を迎え入れると、盛大に宴会が繰り広げられたのであった。
「北ノ俣出会いから上流を望む」
夜半、「グワッ、ゴゴッ、グワァ〜ァ〜」のうなり声に、慌ててテントを開けた。クマかも知れないが、もしかすると誰かのイビキの可能性も有り。

翌朝4時半起床。
辺りは闇が残っていて、中ノ俣の流れからライズを確認するには、まだ暗すぎる時間だった。
午前5時、「♪♪あっさだぁ〜、♪あっさだぁ〜、♪よが明けたぁ〜♪♪〜♪」と美声を響かせみんなを起こす。
その後、朝の釣りを堪能しようとテン場脇から入渓し、4〜500m程の区間を釣り上がる。途中から後を追って来たKAMADAさんとしんのすけさんに場所を譲り、林道へ這い上がるとテン場へ戻った。
「北ノ俣の渓相」
朝食のカップラーメンをかき込んだワタシは、昨日入渓出来なかった北ノ俣出会いへ1人で出掛ける事に。
昨日までの渓相とは一転し、比較的大岩が点在する北の下流は、ワタシの釣り欲をくすぐる。こうでなくっちゃぁ。
1カ所、ルートファインディングをミスって、胸まで水に浸かり、落ち込みの中から上を目指すハメになる。
と、その時、右足が滑って数メートル下まで滑り落ちた。水がクッション代わりになったのだろうが「こ、腰が痛い...」
「北ノ俣の渓相」
その後、取水施設の手前まで遡行したワタシは来たルートを引き返し、テン場に戻ると誰も居なかった。
待つこと数時間、戻ってきたダンさんとしんのすけさんは、北ノ俣上流に入渓していたとの事。後から戻ってきたTroutWaterさんとKAMADAさんは中ノ俣上流へ入渓していた事を知る。
みんな思い残すことなく釣果をあげられたのは喜ばしい。

午後3時50分、MTBでダウンヒルを楽しむ3名を残し、我々自転車を持参しなかった歩き班は、一足先にしんのすけさんと帰路に着く。ゲートまで後少しってとこで自転車組に追い越されるが、帰りはテン場から最終ゲートまで大凡 50分で到着。
無事にゲートを越え、車に辿り着いたのは午後5時の事だった。
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