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【島々谷川(南沢)】 長野県・安曇地区

対象魚 イワナ
釣果程度 ☆☆
混雑程度
サイズ ☆☆☆☆
放流実績  
総合評価 ☆☆☆☆
解禁期間  
入漁料 日釣券(前売り)・¥-/日釣券(現場売り)・¥-
備考 島々谷川は、上流部が北沢・南沢の2つからなり、両方共に魅力的な釣り場だがアプローチは徒歩以外に無い為、往復の歩く時間を考えると日帰り釣行は難しい。
このページでは、南沢をご紹介する。

周辺地形図 数値地図から描画したCG 紹介区間トータルデータ

R158沿いの安曇村役場を過ぎたら直ぐに右折すると約5分で車止めの広場に着く。島々谷林道は一般車両の通行が禁止されているので、 ここから以遠は徒歩となる。
南沢北沢が出会う”二俣”までは距離にして約7Km、上りである事を考慮すると約2時間半はみるべきだろう。
いつも訪れる度に思う事だが、歩き始めの1〜2Kmは別として、二俣までの長い行程は無数の大堰堤が連なり、どこからともなく土砂の流入が続き、淵や釜は 泥で埋まっているのが現状である。
それ故に上流に位置するこの南沢が、増して魅力的に感じる事は追記できる。

二俣の取水施設以遠は、約8km先の源流部まで水量が多く水速もあるので、ドラグを回避する為にティペットを長くせざるを得なく、ポイントの絞り込みも 大変な事から、ドライでの釣りは困難を極める。

出会いから最源流部の”小南沢”までは、ふつうに釣り上がって約6時間をみた方が良い。
更に、南沢に沿った登山道は、徳本峠(とくごうとうげ)を経由し上高地とを結ぶ。昭和に入り”中ノ湯の釜トンネル”が開通する以前は、この峠が上高地の入り口であった。
かの芥川竜之介も高村光太郎も利用したというこの道は旧時を彷彿させる。

「二俣トンネルを望む」

”戦国落人悲話”の石碑を左に過ごし、手前の看板の通り左に進むと南沢、後方”二俣トンネル”を越えると北沢となる。
作者の場合、車止めから釣り上がって来たので、ここまで約9時間の行程だった。
「二俣の取水施設」

下流域に水が供給されない原因がこれ。
二俣トンネルの100m程上に位置し、上流からの流れ9割をここで取水する。最下流部の発電所まで地下トンネルで送っている模様。
「二俣から望む南沢」

取水施設から耳を澄ますと、なにやらゴーゴーという瀬音が聞こえてくる。これが生きている渓の音だ。
今までの行程を考えると興奮し直ぐにロッドを振りたくなるが、流れの前方右に大2段堰堤がそびえているので、ここはぐっと我慢し堰堤上から釣り始めた方が得策だ。
「大2段堰堤上から上流を望む」

平行する登山道は、斜面の比較的低いところにある為、渓へは容易に降りられる。
この辺りから、特に大淵から思わぬ大物がヒットする可能性が高い。慎重にキャストすべし。

沢のほとりには、野生の”葉ワサビ”や”ミツバ”が数多く自生しており、釣果に恵まれなくても?楽しませてくれる。
「瀬戸沢付近の渓相」


草を食べながら、こちらの様子を覗っていたカモシカ。
人間を怖がらないのか、それとも興味が無いのか、一向に逃げる気配を示さなかったのでカメラを向けたら動き出した。
「ワサビ沢付近の渓相」

ここから”岩魚留小屋”までは、登山道を使用して15分程。更に徳本峠の手前、南沢源流部まで約2Km半。登山道は源流を越えて峠へと至る。
島々宿の方々の話では、岩魚留を越えた南沢源流に位置する障子川瀬沢・小南沢にもイワナは生息していると聞いた為、確認して見たが結果、岩魚留以遠に釣果は無かった。
*岩魚留小屋の利用についてだが、釣り人は宿泊不可となっているので注意の事。(釣り人の不評による為)