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【大門川・最源流部】 4月 山梨県・北部

放流実績は年間合計
対象魚 ヤマメ/イワナ
釣果程度
混雑程度
サイズ ☆☆
放流実績 ヤマメ・22、000尾/イワナ・17,000尾(稚魚のみ)
総合評価
解禁期間 3月1日〜9月30日
入漁料 日釣券(前売り)・¥800-/日釣券(現場売り)・¥1,200-
/年券・¥4,000-
備考 大門川(7月)ページを参照の事

このページをご覧になっているみなさん、ダマされたと思って一度行ってご覧なさいって、大門の源流部へ。
そこに何が待っているかとゆーと、喜劇の”ボーズ”なのである。
#オレはここの上流には魚居ないと思うぞ

思えば、あの夏の”遭難しかかり事件”の時もボーズだったし............

私にフライフィッシングの楽しさと奥深さを教えてくれたのは、紛れもなくこの渓だった。当時、何かにつけて話題に事欠かない大門川に入り浸っていたある日、水源付近まで探索に出掛ける事を思いつき、結果、 暗闇に包まれた夜になって、進む方角すら解らなくなってしまったあの苦い思いでは記憶に新しい。

その流程に高を括っていた私は、7月の曇天の中、軽い気持ちで野辺山カントリークラブ手前の大門川橋から入渓し、間もなく現れる東・西沢の分岐から、まず右手の西沢を詰めた。数年前の当時も今回と同様に 釣果は全く無く、分岐に戻ると迷わず東沢を遡行し始めた。
ようやく小海線の鉄橋を通過し、更に上流を目指した時、入渓から6時間が過ぎていた。急ぎ早に進めばキッズまでは、後3時間もあれば到達出来るつもりだった。
数時間が経つ間、気ばかりが焦っていたが、それでも探り釣りは止めなかった。たそがれ時が近づき、もうそろそろスキー場が見えてくる頃だと考えながら、ようやく日没に危機感を覚えロッドを畳むと、ひたすら 先を急いだ。何度引き返そうと思ったか知れない。ただ、地図も高度計も持たない自分には、進むべきか戻るべきか、どちらの選択が適切かの判断が出来なかったのだ。
あんなにシンドく心細い遡行は、私の釣り人生に於いて類を見ない。
恐れていた日没が訪れ、目に写るのは微かな稜線と夜空の境だけ。これはまずい事になってしまったと、気ばかりが焦り続ける反面、暗黒と思われた辺りは、目が慣れれば結構明るいもんだと、冷静に自分の置かれている 立場と状況を見つめるもう1人の自分もいた様に思う。
どれだけの時間が過ぎただろうか、「もうとっくにスキー場は越えてしまっているかも知れない」との葛藤の中、手探り状態で沢の音だけを頼りに先を目指した。
午後9時を過ぎた頃、車のヘッドライトが視界に入る事になる。正に、天の助けとはこの事だった。
間違いない、左脇に道路が走っている!残った体力を振り絞って道に上がり、助かったと興奮している所へ、上から降りて来た1台のバンを止める。美しの森交差点までヒッチハイクし、大事になって無い事を心底 祈りつつ自宅へ連絡を入れた。
受話器の先からはっきり聞いて取れる、おかんの怒りに満ちた怒鳴り声を浴びながら、無事に元気な声が聞けた喜びと、捜索願いが出されていなかった安堵から、その場にヘナヘナと座り込んでしまった。


今回の釣行は、そんな懐かしさを噛みしめ、古き良き思い出?を巡りに行く”アホ”のレポートなのである...


「R141旧道の大門川橋」にて夜のお食事(^^)

GWに突入した27日の朝、むすめを釣れたおかんが実家に帰省した事で10日程自由の身となる。独身貴族を味わう為には、まず何をする?
もー家になんか帰んない!

って事で、仕事を終えた足で一路大門へ。
「大門川橋」入渓地点から上流を望む

翌28日、午前4時起床。
明日、明後日で5月を迎えると言ってもまだまだ寒く、下界の甲府は緑も濃く初夏さながらなのに対して、当地はご覧の通り真冬の装い。

午前4時45分、気温3度の中、釣果を求めて突き進み出した。
西沢・東沢の分岐点を望む(大門川橋からゆっくり釣り上がって1時間弱)

向かって右から流れ込む沢は、細く小さな流れで、真夏にはショートロッドが必須のヤブ沢と化す。が、しかし、こちらの渓には魚は居ない。リキ入れて釣り上がったところで釣果は無い。もー、言ーきっちゃう。

以上の理由から、今回も左の東沢を釣り登る。
分岐点から約30分後の渓相

本日初となる待望のアタリが!
深みに浮いたマーカーが、突然斜め前方に向かって走り出した。「きた!よっしゃー」アワせたロッドの先に嬉しい魚信が伝わる。が、手元でポチャンって音と共に水面に落ちたイワナらしき魚体は、眩しい程に 腹がオレンジ色をしていた。
「まさかヤマトだったんぢゃあるまいな...」
小海線とR141の鉄橋を望む

撮影地点は、エントリー場所から2時間ほど。
先細りの小さな流れになり、ここまでの釣果と言えば先に記述した、あの1尾のバラシのみ。渡渉しても走る魚影すら確認出来なかった。
なんだか、とっても無駄な事をしている様に感じるが、せっかくここまで来たのだからと、もう少し踏ん張る事に...
鉄橋から約1時間地点の渓相
もうギブッ。魚が居ないどころか、水まで無くなってきたではないか。
完璧無駄な時間を使っている事にようやく気づき、引き返す決心がついた。とは言え、このままで引き下がれるか!結果、ページを飾る釣果写真が欲しくて下流に再入渓する事に。
(サイド写真は這い上がった大門沢橋を望む)
この後、レジャー車で行き交う国道脇を、ウェダーにベスト姿で突き進む。
藤沢橋下のエントリー地点(しし岩付近)から30分後
橋脇のハイキングコースを下りきる事10分。”しし岩”と名が付けられた岩辺り
から斜面を下って入渓する。位置的には、ちょうど宮司の滝の少し上に出る事になる。ここからゆっくり釣り上がっても1時間位で写真の国界橋?に到着。(ここまでの釣果11尾也(^^))
(サイド写真は藤沢橋から1分程下った線路に立てられている、けったいな注意書き)
3歩で渡れるっつーのに、どっかの踏切を使えってか!?
朝エントリーした大門川橋
上述の国界橋?から更に1時間後、車をデポして有る大門川橋が見えて来る。
ようやく帰って来たなぁってな感じ。
ちなみに、今回紹介した下流部は上流に進む程、魚影が薄くなるので念のため。
それともう1つ、この渓にヤマトは居ないので念のため。(^^;
(サイド写真は途中で見つけた”天然ワサビ”)
天然イワナは居なくとも天然ワサビは有るのだ。