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対象魚 | ヤマメ | |
釣果程度 | ☆☆☆☆☆ | |
混雑程度 | ☆ | |
サイズ | ☆☆☆☆ | |
放流実績 | 早川漁協が公表しない為、不明 | |
総合評価 | ☆☆☆☆☆ | |
解禁期間 | 3月16日〜9月30日 | |
入漁料 | 日釣券(前売り)・¥800-/日釣券(現場売り)・¥1,200-/年券・¥4,000- | |
備考 | 笊ヶ岳付近に源を発し、山梨県西部を流れる早川の支流。 中流域からの渓谷美を肌で感じると”黒桂河内川”に引けを取らず、ダイナミックな峡谷は全くを持って素晴らしい。しかしながら、下流に連続して建設された大堰堤が 景観を損ねるので、この辺りが非常に残念なところではある。 |
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参考 | 天候及びフィールド状況 → 午前5時入渓時点で晴れ無風 気温14℃、水温9℃ ハッチ少々 使用タックル → ロッド・#2 SAGE SPL282 ライン・#2(SAGE専用ライン) リーダー・クライマックス6X ティペット・アムコア6X 使用フライ・#12アダムスパラシュート #12オリーブアダムス #12コンパラダン |
周辺地形図 | 数値地図から描画したCG | 紹介区間トータルデータ |
南アルプス東斜面に位置するこのエリアは、保川に限らず大半の川は、黒桂河内川に代表される通り、斜度もさる事ながら谷の切れ込みが極めて深く、
貴重な自然が良く保たれた地域である。 確かに今回の釣行は日が良かったのかも知れない。 ヤマメ29cmを筆頭に、プールや淵、堰堤の落ち込み等々、ほぼ全てのポイントから確実にドライに飛び出してくる魚達からは、終始気の抜けない緊迫した釣行をプレゼント して貰った。 この日、手中に収めた魚の数は、エントリーした午前5時から午後3時までに於いて”推定70尾”を超えたと思われる。43尾まで数えて いた数も写真撮影も、きりがなくなるので途中でやめてしまった。 数・サイズ・渓相、入渓者数、どれをとっても黒桂河内川の評価を上回る結果に、渓流ランキング1位の書き換えを非常に迷ったが、下流部にそびえる複数の大堰堤の存在が、 2位にとどめた大きな理由だ。 1位にランクしなかった理由のもう1つは、源流近くまで続く林道・登山道の存在。 これが有るが為に、人間が容易に源流まで足を運ぶ事が可能になり、その結果として、相当の上流部までヤマメ・アマゴが放流されている様だ。本来の自然摂理からすると、 標高1200mを越えた山岳渓流で、ヤマメが釣れる事実はどう考えてもおかしい。 早川漁協には、もっと節度ある生息域を考慮した放流をお願いする。 さて、釣果については上述の通り70尾以上を釣り上げ、サイズは小ヤマメが多数混じるものの、22〜23cm以上の良型が多数目に付いた。私が調べた限りでは、黒桂河内川 同様に、その昔、源流の本谷以遠で天然イワナの生息が確認された事が有った様だが、現在は不明。 私も幾度となくこの源流部に足を運び、その確認を急いでいるが今のところ朗報は無い。 以下は、5月13日の釣行レポート。 |
「エントリー地点」 早川本流との出会いから約500m上流にそびえる写真の堰堤までの区間は、特別区域となっており入渓の際は、別のライセンスが必要なので注意の事。早い話が、 ヤマメピアと言う”管理釣り場”で、大人1人¥2,500ーとられる。以前どれだけ楽しませてくれるのかとの興味で行って見た事が有るのだ。高い入渓料を支払って、 いざ釣ろうとしたら、おもむろに差し出されたバケツの中には6尾のヤマメが入っていた。店主曰くこれを適当な所に放流して釣れと言うのだ...!?!? なに考えとんぢゃい!今泳がせたばっかりのヤマメが即食いついてくるなら、1つのライズで1日FFが楽しめる理屈が成り立つではないか! |
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「遡行開始から30分の渓相」 先週まで使用していた5mmのネオプレーンウェダーを、ゴアテックスのウェダーに変えた。そのせいで水の冷たさが足をじかに刺激するが、周りの色濃くなった緑に 囲まれていると、多少なりとも初夏の息吹を感じ、それはそれで心地よい。上述のエントリー地点から、すぐに小ヤマメがバシバシと#12のアダスム・パラシュート にアタックしてくる。食えもしないのに... 始めのうちは、「をを、今年も反応は相変わらずではないか」と嬉しくなったが、そのうち小ヤマメだけの反応にいささかの不安を覚える。 |
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「遡行から約1時間で到達する第一堰堤」 高巻きルートは無いので一旦川を引き返し、適当なところから左上に付けられた林道によじ登る事になる。 この第一堰堤下のプールに於いて、本日初となる20cmオーバーのヤマメ(22〜25cm)を立て続けに6尾釣り上げた。上から落ちる水シブキが影響し、ドライ が半分沈みフライの視認は困難であったが、やる気有る彼らの”スプラッシュ・ライズ”で容易にアワセを入れる事が可能であった。こんな楽しい釣りになるのなら、 #0ロッドを持ってくれば良かった... |
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「更に30分上流に位置する第2堰堤」 同じく、こちらも高巻くルートが無いので一旦渓を引き返し、林道にはい上がる必要有り。 写真手前に有るプールは、実際にはもっと手前に長く、キャストの邪魔になる様な障害物も一切無いので、気持ちよくロングキャストが出来る。いいもんですなぁ、 遠く先でポテッと水面に落ちたフライを見る間もなく、瞬時に魚が飛び出してくるってのは。 この辺りから、ポイントにドライを落とせば、必ずと言って良いほど反応が有り、出てきて当たり前の様相と化す。 |
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「上述の第2堰堤から更に30分程上流に位置する第3堰堤」 「ヨシヨシヨシ、やった〜っ、っとっと、あぁーっ!...あーあっ...」 この堰堤下で、思わずこう叫んでしまったシーンが有った。大物を取り損なってしまったのだ。しかも手元まで寄せておいての失敗に、悔やんでも悔やみきれない。 ネットに入れ損ねた矢先にフックが外れ、足下の石の上でドッタンバッタンと鈍く暴れるそれは、まさに余裕で尺を越えるビッグワンだった。逃がしてなるものかと、四つん這いで 必死に魚体を掴もうとしても、その時点ではもう遅く、スーッと水の中に消えた。 その悔しさから、この堰堤下で2時間も粘り釣りをする結果になったが再びあの大物が現れる事は無かった。 あぁあ〜、あいつまたライズしてくんないかな... |
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「第3堰堤以遠の渓相」 所々に点在する無数のポイントは、ちょうど写真のイメージに等しい。
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「第4堰堤」 特に小規模のものであれば難儀する事も無いのだろうが、高さ20m・幅40mを越す建造物は堰堤よりダムと表現するに等しい。4基有る堰堤の内、唯一右上の林道まで 高巻きが可能なのが、この第4堰堤だ。ただし傾斜がきつい為、滑落の無い様に十分注意して頂きたい。 渓の脇にぴったりよりそっていた林道はここまでで、以遠は登山道が源流まで誘導してくれる事になる。帰路は、この林道を利用すると、クルマ止めの広場(エントリー地点)まで、 約40分の道のりだ。 次回は、この第4堰堤以遠をご紹介する予定。 こうご期待! |