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【金山沢・水源付近】
山梨県北部(2021年03月30日)
対象魚
釣果程度
混雑程度
サイズ
放流実績 無し
総合評価
入漁料 年券・¥5,000-/日釣券(前売り)・¥1,000-/日釣券(現場売り)・¥2,000-
備考
塩川支流の中に昔からずーっと気になっていた渓がある。それが「金山沢」の最源流部。
20年近く前から行こう行こうと思い続けてきた渓の1つであるが、いつも後回しになり結果的にこれまで1度も踏み込んだ事の無い川として当方の頭の中に長くインデックスされ続けてきた。
地図を読むと、金山沢はいく筋もの流れが合流している事がわかる。ターゲットとしているのは金山支流群の北西に位置する流れ。"一番左に位置する" とでも表現しようか。
これまで金山山荘を拠点に、ほぼ金山沢の全てを釣り歩いたが、この河川だけ未開の状態となっているので、シーズン最盛前の時間がある今の時期に調べておきたい。

この辺り一帯には「きっと桃源郷が広がっているに違いない」と信じ続けて20有余年。長年のとどこおりが今日明らかとなる。

金山沢の最終堰堤以遠を目指すので、金山山荘から詰めるのでは時間がかかり過ぎる。よって、瑞牆山荘から伸びる林道を利用して、ここから一気に降下しようと企てる。
GPSを頼りに、だいたいこの辺が渓の真上だろうとおぼしきポイントまで歩いてきた。かすかに下方から沢の音が響き上がってくる。
ここで間違い無い。
が、パッと見斜度がきつくて、とても降りられそうにない。

適当なみねすじを見つけて途中まで降りてみるものの、トラバース道はすぐにバンドに変わり、やがて絶壁の淵を歩く心細いわずかな踏み跡に変わる。
うほほーっ…滑落でもしようもんなら一大事だ。
もういい年こいて愚挙はやめよう…ここまで来て引き返す決断はなかなか度胸のいる行動であるが、なんとか思いとどまる。
最後ほふく前進状態で林道まで這い上がってきた。

林道をウロウロ。あっちはどうか…こっちはどうか…アタックを試みる。左から…右から…中央から…
悪あがきはしてみるもんで、林道の先になんとか降りて行けそうな雰囲気の斜面を見つける。だが傾斜は40度を越えていようか、見えない先がどうなっているかも気になる。
なにより帰りはここを登ってくるのかと考えると一気に意気消沈してしまうが、密かなる桃源郷からの誘いを全身に感じつつ、気持ちにムチ打っていざ下降開始。

なんかもう奈落の底へまっしぐら。たどり着くのが三途の川ぢゃない事を祈りつつ。

慎重に慎重に…そしてまた慎重に。
進むにつれ段々と沢の音が大きくなり、はやる気持ちを抑えるのが大変だ。
もう沢は間近に迫ってきた。

???なんか渓、細くねぇか?

勝手に桃源郷があるなどと夢見ていた自分が悪い。
でもしかし、がれ場だったとは…
がれ場かぁ…
しばらく放心していた。見上げれば急登の上に急登が続いている。
トホホ

泣きそうである。

新しい渓の開拓ってのは常にこういうもんだし、長きに渡って同じ経験を幾度も積み重ねてきたので分かってはいるのだけれど、若い時ならまだしも、キッツイわぁ…

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