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北沢で釣りをするには、広河原から村営バスを利用するか、もしくは現地まで歩く。 名実ともに有名河川で有りながら、なおも多くの魚が残り続ける背景として、北沢まで我々を導いてくれる南アルプス林道に、一般車両の利用を規制する交通事情が有る為だ。 つまり、広河原から先を通行出来るのは、許可を受けた林業もしくは工事関係とバス車両のみで、我々一般人はバイクのみならず自転車をも持ち込む事は不可。その徹底的なまでの管理は守衛が見守る有人ゲートで厳重に行われている。自然保護を目的としているらしい。 野呂川にぴったりと寄り添った南アルプス林道は、1967年に着工されたが自然保護団体らによる建設反対運動が高まった理由で1972年に工事は一時中断。当時、国会に於いて建設中止の請願が採択されたが、森林開発公団は予定通り計画を進めたと聞く。1980年、貴重な原生林をなぎ倒し、多量に出た砂れきを野呂川に捨て、それまでの自然を見事にぶち壊して南アルプス林道は開通した。 訪れる度に目に留まるのは、林道が通る渓の片岸全てに於いて、道路から下方に向かって植生のない砂れき地と化し、樹林が着いていない光景。これは明らかに林道開発による自然破壊が原因なのであって、今さらマイカー進入禁止なる自然保護を訴えるとは本末転倒だとは思わぬか?挙げ句の果てには、野呂川出合いから北沢水源までの全区間に無数の堰堤が建設されるわ、本来居るハズの無いニッコウイワナが乱放流されるわで、今やこの北沢にヤマトイワナの陰は無い。 もう南アルプス一帯はメチャクチャな状況なのだ。 村営バスは広河原を出発すると、途中に一ヶ所有る”野呂川出合”の停留所を経由して北沢峠までは約30分。距離にして10.2Kmの道のりだ。この野呂川出合で下車する人達は、やはり釣り人が多く目立つ。始発の便で入渓し、午後の便で帰路に着くスケジュールを立てるのが一般的な様だ。 もしもバスで北沢を目指すなら、登山シーズンが最盛期を迎える夏休みだけの臨時ダイヤではあるが、始発の早朝6時50分広河原発の利用がお奨め。この便に乗ると出合いには7時5分に到着する。 ワタシと言えば、村営バスを利用して北沢入りする釣り人の先を越してやろうってな魂胆(<イヤな性格...)で、まだ夜が明け切らぬ早朝4時過ぎ、一路徒歩で北沢を目指し広河原を出発したのだった。 今回は北沢中流部から入渓して水源までを遡行する。行きは歩きでも、帰りは北沢峠発最終便15時30分のバスを利用して広河原まで戻って来る計画だ。 徒歩で稼ぐ道のりは15Km程となるが、帰りのリピートを考えなくても良いぶん、これくらいの距離なら朝飯前のお茶漬けサーラサラだ。(^^) |