主に山梨県内のフライフィッシングに関する話題をお届けする釣り情報サイトです。
ホーム
>
釣り紀行
> 北海道行き当たりばっ旅
北海道行き当たりばっ旅 2021夏
6月24日
25日
26日
27日
28日
29日
30日
7月1日
2日
3日
4日
5日
6日
7日
8日
9日
10日
11日
12日
13日
14日
15日
16日
17日
18日
7月11日(18日目)
【小田西川を望む】
さあ、いよいよ今日から道南エリア。
渡島・檜山(おしま・ひやま)地方での釣りは初めてなのでテンションが上がる。 だがそう思ったのもつかの間、この辺りを流れる河川はことごとく全面禁漁。ざっとこの周辺を見るだけでも「大平川」「泊川」「千走川」「須築川」と禁漁区が連続している。これじゃぁほぼ全てが入渓禁止ではないか。
念の為、エリアを広げて禁漁状況を調べると、檜山地方(日本海側)全域と渡島地方西部に禁漁区域を設定している河川の多いこと多いこと…
事前調査無しに来たので、こんな事とはつゆ知らず、ただただ驚くばかり。これではうかつに川へ立ち入れない。魅力的な渓流が多く存在する分ただただ悔しいが、資源保護が理由なら仕方ない。
8時、道の駅よっとけ島牧を出発。
北海道水産局の河川マップに照らし合わせながらの移動。 出発して間もなく「小田西川」なる河川を通過。確認するとここは禁漁区ではないようだ。川っつらもいい感じだったので、早速身支度を整えて入渓。
7月4日に知床を離れて以来、久しぶりの渓流なので胸が高鳴る。
結果、大きな釣果には恵まれなかった。小田西川はアメマスの沢のようである。
せたな町に入り、禁漁河川をぬうように、馬場川・後志利別川・相沼内川・他名前の分からない川にも入った。なんだか、おこぼれに預かっているような気になってきて、モヤモヤ感が拭えない。それに、どの河川も小物ばかりで芳しい釣果に恵まれない。
地図でめぼしい川を探していると、海岸線から少し山に入ったところに「湯とぴあ臼別温泉」と書かれた温泉地がある事を知った。釣果も良くない事だし、気分転換に風呂にでも入ろうか…
早速、山の奥地へ向けて移動を開始。林道の右手にはピッタリと渓流が寄り沿っている。雨で増水しているのに一切の濁りが無く、かなり小さな流れではあるが、とても魅力的に映る川だ。
湯とぴあ臼別温泉は町が管理する無人施設で、小さなログハウスに守られた中に温泉が湧き出しているらしく、V字に切られた谷と木々に包み込まれてたたずんでいた。雨雲が低く立ち込めて辺りは薄暗く、他に誰もいない…結構気色悪い雰囲気に感じてしまって入浴を躊躇した。
それよりも、来る時からずっと気になっていた渓流が、この温泉の真横を流れている。ちょうどクルマを停めた脇から簡単に川に下りられる事もあって、もう風呂なんてどうでもよくなっていた。
早速身支度を整えて川に降り立つ。
【臼別川】
瀬が続く先に深いプールがあった。絶好のポイントに第1投。と、初投でいきなりヒット。引き具合からして22〜23cm程度の魚だろうか。 大きくはないが丁寧に引き寄せていると、いきなりどデカイ魚影が今ヒットしたばかりの魚に襲いかかり、何度も何度も噛みつこうとしている。明らかに獲物として狙っているらしい。そして、何度か襲いかかった後に、スーッと深場に消えていった。
うっわー、何?あのデカイの…今のなに??目を疑う。何度も見直す。怖さすら覚える程のデカさだ。
今のラインシステムでは到底太刀打ち出来ないので、強力なリーダーを取りに一旦クルマへ戻る。迷うこと無くソルトウォーター用16lbリーダーをチョイス。 ロッドも高番手に取り替えようか考えたが、トリプルゼロでいけるとふんでリーダーのみを結び直す。このリーダーに見合うティペットは無いのでフライへはリーダー直結。
結んでいて思ったが、このリーダーはトリプルゼロのフライラインよりも太い?これではターンオーバー出来ない…あまりのアンバランス加減に思わず笑ってしまった。
抜き足差し足でポイントに戻る。
小物を2尾ほどキャッチした後、クジラの潮吹きのように大きな魚影がモワッと水面に現れて、黒い影と共にフライが消えた。すかさずアワセる。ロッドにズッシリと重たい感触が伝わる。直後ぐんぐんロッドが持っていかれる。デカい!ああアイツに間違い無いなと思った。
水面でバッシャンバッシャンと暴れまくり、その抵抗でロッドがグワングワン悲鳴をあげる。
ロッドが限界に近づきシナリを失うと、弓なりの形は崩れて "つ" の字になる。曲がっているのはバッドだけ。その先は全て直線に引っ張られ、そして弾力の無いロッドは単なる硬い棒と化す。
こうなるとリールのドラグに頼りたいところだが、ドラグを効かせるもなにもラインは足元でとっ散らかっている状態。 ロッドに負荷をかけないように極力寝かせた状態を保つがラチが明かない。
あぁフックは耐えられるだろうか…
こういう状況なもんだから、取り込むにしても片手でロッドもう一方でネットなんて芸当はとっても出来ない。もう一か八か岸へ引っ張り上げるしか手は無かった。
リーダーを直接つかみ、遠浅になっている箇所からゆっくり丁寧に引き抜く。
川岸でドッタンバッタンと重たい音を立てて暴れるそいつは47cmのアメマスだった。5〜10分くらいの格闘の末だったかと思う。
しばらくいろんなアングルで写真を撮りまくる。GoProのデータを確認すると、シッカリ大物との格闘シーンも写っている。やったぜ。
よくよく観察すると、体高が低いので極端に細長く見える。ヘビみたいだ。
リリースするのが惜しくて、しばらく手元で眺めていた。
この大物以外にも、同じプールだけで尺上2尾と24〜27cmが6尾。イワナとヤマメの混在だった。
すごい川を見つけたもんだと高揚した。例えるならイケスの中で釣っているみたい。来年も絶対にここに来て、もっと広範囲を探ってみるのだと心に決めた。
先程よりも更に雨が強くなってきたのでここで納竿。もう大満足だった。
【禁漁河川・臼別川】
ルンルン気分で駐車場に戻る途中、白い立て看板が目に入る。何となく読む。
い゛ーーーーっ、き・ん・り・ょ・う・か・せ・ん?!
ザーッと血の気が引き、一瞬でちびまる子ちゃん状態になる。
なにここ釣っちゃいけない川だったの?マズいマズいマズい。早くこの場から去らなければ、逃げなければ。 速攻、ウェーダーを脱いでクルマに飛び込み、そそくさと立ち去る。にしても、誰も人がいない時でよかった。密漁現場を目撃されなくてよかった。ブツブツ…
国道に出た辺りで、今の河川を調べると『臼別川』とある。北海道のルールマップと照らし合わせると、バッチシ "保護水面" の記載と共に川が赤く塗られていた。
それにしても何で入っちゃったんだろう。これまで神経質なくらいルールマップをチェックしながら問題の無い釣りをしてきたハズなのに…
自分が強盗しているシーンを撮影しているようなもんで、とってもさっきの動画はネットで公開なぞ出来ない… きれいに撮れた大物の写真も動画も、一切の証拠品は隠滅。
しめるところ、人が立ち入らない場所には良い釣果が待っているという事なのだ。当たり前の理屈ではあるが、臼別川での一件はそれをシカリ証明したようなものだ。
その後はこの理屈を念頭に『遭難しそうなところ』『滑落しそうなところ』『クマが出そうなところ』を重点的に探しまくる。こりゃ絶対に人は入らないとおぼしきオオイタドリの茂みを突破する事しばしば。
今日は密漁の一件以降、竿抜け区間を見つける事に躍起になり、多少おつむのイカれたオジさんと化した1日だった。
【オオイタドリの茂みをラッセル こんなん】
道南には沢山の渓流が存在する。
だがしかし、魅力的な河川はほぼ全て禁漁区に設定されているので、残された川はかなりショボい渓流が多く、そしてなかなか釣果にも繋がらない。 そうであっても、そこにしか入れないなら釣り人は必然的にそこへ集まって来ざるをえない訳だ。
そう考えれば、この辺りのエリアは想像する以上にライバルが多く、つまるところ魚影も薄いのではないか。
江刺付近まで南下したが再び熊石平町まで戻り、今日はこの町にある熊石青少年旅行村キャンプ場で1泊する事に決めた。
ここにはゴミ収集場が設けられているので、久しぶりに車内に溜まったゴミを処分できて気持ちがいい。
Copyright 1999 ADAMS Yamanashi JAPAN
渡島・檜山(おしま・ひやま)地方での釣りは初めてなのでテンションが上がる。 だがそう思ったのもつかの間、この辺りを流れる河川はことごとく全面禁漁。ざっとこの周辺を見るだけでも「大平川」「泊川」「千走川」「須築川」と禁漁区が連続している。これじゃぁほぼ全てが入渓禁止ではないか。
念の為、エリアを広げて禁漁状況を調べると、檜山地方(日本海側)全域と渡島地方西部に禁漁区域を設定している河川の多いこと多いこと…
事前調査無しに来たので、こんな事とはつゆ知らず、ただただ驚くばかり。これではうかつに川へ立ち入れない。魅力的な渓流が多く存在する分ただただ悔しいが、資源保護が理由なら仕方ない。
8時、道の駅よっとけ島牧を出発。
北海道水産局の河川マップに照らし合わせながらの移動。 出発して間もなく「小田西川」なる河川を通過。確認するとここは禁漁区ではないようだ。川っつらもいい感じだったので、早速身支度を整えて入渓。
7月4日に知床を離れて以来、久しぶりの渓流なので胸が高鳴る。
せたな町に入り、禁漁河川をぬうように、馬場川・後志利別川・相沼内川・他名前の分からない川にも入った。なんだか、おこぼれに預かっているような気になってきて、モヤモヤ感が拭えない。それに、どの河川も小物ばかりで芳しい釣果に恵まれない。
地図でめぼしい川を探していると、海岸線から少し山に入ったところに「湯とぴあ臼別温泉」と書かれた温泉地がある事を知った。釣果も良くない事だし、気分転換に風呂にでも入ろうか…
早速、山の奥地へ向けて移動を開始。林道の右手にはピッタリと渓流が寄り沿っている。雨で増水しているのに一切の濁りが無く、かなり小さな流れではあるが、とても魅力的に映る川だ。
湯とぴあ臼別温泉は町が管理する無人施設で、小さなログハウスに守られた中に温泉が湧き出しているらしく、V字に切られた谷と木々に包み込まれてたたずんでいた。雨雲が低く立ち込めて辺りは薄暗く、他に誰もいない…結構気色悪い雰囲気に感じてしまって入浴を躊躇した。
それよりも、来る時からずっと気になっていた渓流が、この温泉の真横を流れている。ちょうどクルマを停めた脇から簡単に川に下りられる事もあって、もう風呂なんてどうでもよくなっていた。
早速身支度を整えて川に降り立つ。
うっわー、何?あのデカイの…今のなに??目を疑う。何度も見直す。怖さすら覚える程のデカさだ。
今のラインシステムでは到底太刀打ち出来ないので、強力なリーダーを取りに一旦クルマへ戻る。迷うこと無くソルトウォーター用16lbリーダーをチョイス。 ロッドも高番手に取り替えようか考えたが、トリプルゼロでいけるとふんでリーダーのみを結び直す。このリーダーに見合うティペットは無いのでフライへはリーダー直結。
結んでいて思ったが、このリーダーはトリプルゼロのフライラインよりも太い?これではターンオーバー出来ない…あまりのアンバランス加減に思わず笑ってしまった。
抜き足差し足でポイントに戻る。
小物を2尾ほどキャッチした後、クジラの潮吹きのように大きな魚影がモワッと水面に現れて、黒い影と共にフライが消えた。すかさずアワセる。ロッドにズッシリと重たい感触が伝わる。直後ぐんぐんロッドが持っていかれる。デカい!ああアイツに間違い無いなと思った。
水面でバッシャンバッシャンと暴れまくり、その抵抗でロッドがグワングワン悲鳴をあげる。
ロッドが限界に近づきシナリを失うと、弓なりの形は崩れて "つ" の字になる。曲がっているのはバッドだけ。その先は全て直線に引っ張られ、そして弾力の無いロッドは単なる硬い棒と化す。
こうなるとリールのドラグに頼りたいところだが、ドラグを効かせるもなにもラインは足元でとっ散らかっている状態。 ロッドに負荷をかけないように極力寝かせた状態を保つがラチが明かない。
あぁフックは耐えられるだろうか…
こういう状況なもんだから、取り込むにしても片手でロッドもう一方でネットなんて芸当はとっても出来ない。もう一か八か岸へ引っ張り上げるしか手は無かった。
リーダーを直接つかみ、遠浅になっている箇所からゆっくり丁寧に引き抜く。
川岸でドッタンバッタンと重たい音を立てて暴れるそいつは47cmのアメマスだった。5〜10分くらいの格闘の末だったかと思う。
しばらくいろんなアングルで写真を撮りまくる。GoProのデータを確認すると、シッカリ大物との格闘シーンも写っている。やったぜ。
よくよく観察すると、体高が低いので極端に細長く見える。ヘビみたいだ。
リリースするのが惜しくて、しばらく手元で眺めていた。
この大物以外にも、同じプールだけで尺上2尾と24〜27cmが6尾。イワナとヤマメの混在だった。
すごい川を見つけたもんだと高揚した。例えるならイケスの中で釣っているみたい。来年も絶対にここに来て、もっと広範囲を探ってみるのだと心に決めた。
先程よりも更に雨が強くなってきたのでここで納竿。もう大満足だった。
い゛ーーーーっ、き・ん・り・ょ・う・か・せ・ん?!
ザーッと血の気が引き、一瞬でちびまる子ちゃん状態になる。
なにここ釣っちゃいけない川だったの?マズいマズいマズい。早くこの場から去らなければ、逃げなければ。 速攻、ウェーダーを脱いでクルマに飛び込み、そそくさと立ち去る。にしても、誰も人がいない時でよかった。密漁現場を目撃されなくてよかった。ブツブツ…
国道に出た辺りで、今の河川を調べると『臼別川』とある。北海道のルールマップと照らし合わせると、バッチシ "保護水面" の記載と共に川が赤く塗られていた。
それにしても何で入っちゃったんだろう。これまで神経質なくらいルールマップをチェックしながら問題の無い釣りをしてきたハズなのに…
自分が強盗しているシーンを撮影しているようなもんで、とってもさっきの動画はネットで公開なぞ出来ない… きれいに撮れた大物の写真も動画も、一切の証拠品は隠滅。
しめるところ、人が立ち入らない場所には良い釣果が待っているという事なのだ。当たり前の理屈ではあるが、臼別川での一件はそれをシカリ証明したようなものだ。
その後はこの理屈を念頭に『遭難しそうなところ』『滑落しそうなところ』『クマが出そうなところ』を重点的に探しまくる。こりゃ絶対に人は入らないとおぼしきオオイタドリの茂みを突破する事しばしば。
今日は密漁の一件以降、竿抜け区間を見つける事に躍起になり、多少おつむのイカれたオジさんと化した1日だった。
だがしかし、魅力的な河川はほぼ全て禁漁区に設定されているので、残された川はかなりショボい渓流が多く、そしてなかなか釣果にも繋がらない。 そうであっても、そこにしか入れないなら釣り人は必然的にそこへ集まって来ざるをえない訳だ。
そう考えれば、この辺りのエリアは想像する以上にライバルが多く、つまるところ魚影も薄いのではないか。
江刺付近まで南下したが再び熊石平町まで戻り、今日はこの町にある熊石青少年旅行村キャンプ場で1泊する事に決めた。
ここにはゴミ収集場が設けられているので、久しぶりに車内に溜まったゴミを処分できて気持ちがいい。