主に山梨県内のフライフィッシングに関する話題をお届けする釣り情報サイトです。
対象魚 | イワナ | |
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釣果程度 | ☆☆☆ | |
混雑程度 | ☆ | |
サイズ | ☆☆ | |
放流実績 | 無し | |
総合評価 | ☆☆☆☆☆ | |
入漁料 | 年券・¥5,000-/日釣券(前売り)・¥1,000-/日釣券(現場売り)・¥2,000- | |
備考 |
日向山の登山口ゲート。 |
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ほどなく錦滝が見えてくる辺りで、大規模崩落の現場が目の前に現れる。 |
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歩きだして約40分で、あずまやの佇む錦滝に着く。 |
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のんびり歩く事2時間弱。林道の終点に到着。 |
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ロープとの摩擦で手が焼けない様に、手袋をはめていざ降下開始。 |
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日向山の登山口ゲートから約3時間、無事何事も無く尾白川の左岸に降り立つ。変わらず息を呑むほど美しい光景が広がる。この景色は何度見ても素晴らしい。 |
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冒頭で記した通り、これからのハイシーズン、以遠は休日ともなれば数多くの沢登りパーティーによって専有されてしまうので、少なくとも土日の入渓は避けた方がよい。 あの人達、絶好の釣りポイントで平泳ぎはじめちゃったりするからね。 まぁそうは言っても土日しか時間が取れないという方は、状況によっては上流ではなく下流に目を向けると宜しい。沢屋さんが入らない下流側の方がむしろ魚は釣れる。以前この下の淵で37cmのイワナを釣った実績もある。 いづれにせよ、巨岩帯で行く手を阻まれる箇所が多いので、移動は右側の林の中にルートを取る事。 |
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今日は火曜日。6月の平日は人が少なく、まだ誰とも会っていない。その辺りが起因するのだろうか。魚は想像以上に釣れた。各ポイントに流したフライには、ほぼ例外なく何某かの反応があった。
短時間にもかかわらず28cmを筆頭に12〜13尾は釣ったのではないか。全てはイワナで、このエリアに於いては、これまでアマゴの釣果実績は無い。 |
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大きなぶどうの弦が行く手を邪魔していたので、とりあえず左にルートをとり、迷わず直登する。 |
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そういえば右上方に進める雰囲気のがれ場があったような気もするがもう遅かった。気がつくと眼下は断崖絶壁である。
目がくらむ様な高さまで登って来た事に焦る。谷底は言葉で形容出来ないほど深く、もはや渓などどこにも見えない。 |
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もう少し登れば左右どちらかにトラバース出来る箇所があるかも知れない。もう少しだけ進むことにする。いや、でも待てよ…左右どちらかって言ったって、どっちに渡るのが正解かも分からない。 |
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何度も来ているフィールドなのに、気の緩みが大きな事故を、取り返しのつかない事故を招くとはこの事だ。 |
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やがて大きな木の幹につかまり小休止を取る。時間は13時を過ぎ、既に太陽は真上に近かった。モタモタしていると日が傾き始める。そうなってしまえば更にマズい状況に陥る。 |
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とにかくチャンスが有れば右へ右へ。1箇所、斜度が急過ぎてどうしてもトラバース出来ない所は、意を決して数メートル下の唯一の足がかりである木の根元目掛けて滑り降りる決断をする。着地に失敗すれば更にその下方へ滑落するリスクはあっても、もう迷っている時間など無かった。 |
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やっと見つけた…あそこか… |
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あともう少し… |
1つは「ヤマトイワナ探索時に鉄砲水に飲み込まれた」一件。 そしてもう1つは「猿留川の林道でヒグマの親子の間に入ってしまった」一件。そして今回の一件が3大危機の1つとして加わってしまった。
なぜこのような事態に陥ったのか…
以前は河原からちょっと登ったところにトラロープが残置してあった。そんな状況だったので、ルートを見失う心配など皆無だった。
思い込みと油断は禁物である。
残置ロープがこれまでより短いと気付いた時点で、周りの状況を確認しておけば何の問題も無かったハズだ。その時点でGoogleMapにピンを打つ機転が利いていれば尚良かった。 いつも来ているから、よく知っている場所だからと、高をくくって状況を見くびった結果にほかならない。
自宅に戻るまでは常に気を張っておかなければならない。鉄砲水の時もそう。ヒグマ親子の時もそう。いづれもボーーーっとしていて、どこかに過信があり、気持ちがダレていた時に起こった惨事である。
あの場において写真なぞ撮ってる余裕は無かった。後半の急登シーンは全て首からぶら下げていたGoProが撮影した動画であり、その内の1コマを掲載写真としてそれぞれ抜き出したものである。
前回、2001年07月【尾白川・上流部】の記事を公開してから20年の歳月が経過したものの、今もなおその渓相美、数釣れる釣果実績、サイズ、どれをとっても当時のまま何も変わらない。
更に付け加えれば、沢登りのメッカである事についても今も昔も変わらない。それぞれ目的は違えど頻繁に入渓者が絶えない人気河川でありながら、魚の数を減らすこと無く状態維持され続けてきた事に驚く。 ここはポテンシャルの高い渓だとつくづく実感する。
2018年、2019年に連続して上陸した大型台風は県内の山々に壊滅的な爪痕を残し、ここ尾白川上流への到達ルートにも大きな影響を及ぼした。この事から以前は何度も足を運んでいた同エリアであるが、台風上陸以降は足が遠のいていた。今回は5年ぶりの入渓となる。
そして釣行の後半、滑落しかけ、遭難しかけ、命を落としかける事態になろうとは、まだこの時は知るすべもなかった。