7月に純血種の生息域を見つけてから現在まで、ひたすら探索を試みていた。こと南ア(山梨県側)に至っては、南の雨畑川に始まり北は野呂川まで、1本残らず
歩き回った結果、どの渓も例外無く、下流域から中流域に於いてそれらしい個体に出会う事は出来なかった。
”もはや全ての該当流域にはヤマトイワナは生息していない”
シーズン後半月余りとなった今、私が出した南アに於ける結論で有る。
今シーズン収集したこれらのデータを元に、来年は生息が期待される源流域を中心に探索するつもりでいるが、どこまで期待して良いものか疑問が残るところではある。
何度も言う様だが、南アルプスを始めとするヤマトイワナのフィールドは、ほぼ全ての渓について壊滅的状況に有る。これ以上の場荒れをくいとめ、個体数を維持する為には、全ての源流域を
立入禁止区域にし、長きに渡って禁漁区を設定する以外にヤマトイワナを保護する手だては無いというのが、現在の私が持つ偽ざる心境だ。
自然を保護する方法は、放って置く以外に無いのだから。
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